砂漠に夜が訪れた

再び自転者をこぎ出したぼくらは快調だ。

十分ではないとはいえ、ギリギリの水は持っている。
日が暮れて暗くなっても走るためのライトも装備している。

さあ、まだ日が沈む前にはキャサリンに着きたいな!

じゃかじゃか、じゃかじゃか・・・(自転者をこぐ音)

じゃかじゃか・・・。

日はだんだんと暮れてきた。
そしてやがて辺りは闇となり、
ぼくらは暗闇のなかをひたすら自転者をこがなければいけなくなってしまった。

ぼくの自転車のライトでは前をしっかりと照らせなくて少し怖い。
マサトの明るいライトがうらやましいなあ!

おい、サイクルコンピューターを持ってるマサト!
いつになったらキャサリンにたどり着くと言うんだ??

と聞いても教えてくれない。

「だって教えたらヤル気が失くなるかもしれませんから」

はいはい、わかりましたよ、進みます。

と、その時。

「あ、灯りだ! 灯りが見える!」

ついにたどり着いたのだろうか?
暗闇の先には確かに灯りが見える。

ぼくらは自転車のスピードを上げて灯りに近づいていった。

が、しかし。

どうも灯りの規模が小さい。

と思ったらそれはノーザンテリトリー唯一の大学、
チャールズ・ダーウィン大学の明かりであった。

この巨大な州唯一の誇り高き大学である。
しかしそんなことは今は全くどーでもいい。

ぼくらは一気に肩を降ろしてしかたなくまた自転車をこいだのであった。

(つづく)

人気ブログランキングへ ← ブログランキングにご協力ください!

Read Users' Comments (0)

オーストラリアの砂漠を走る車はデカすぎるぜ!

そう、ぼくらはオーストラリアの砂漠の上を走っている。
ちなみに走ってるといっても、自転車で、だ。

広大なオーストラリアのノーザンテリトリーを砂漠で走るのは楽しいばかりではない。
(たいてい辛いだけだ)

そんな危険のなかの一つに巨大な車というものがある。
一度オーストラリアに来たことがある人は聞いたことがあるかもしれない。

代表的な車両は3つものコンテナを牽引する「ロード・トレイン」だが、
この日、ぼくらは予想だにしなかったものを見てしまった。



ゴォオオオオオオ・・・・・

「な、なにかが近づいてくるぞ!」





見えるだろうか、あの巨大な荷物を…。



ォォォォォオオオオオオオオオ!!!



で、でかすぎっ!


このトラックが通り過ぎた時の風圧といったら、もう…!
ノーザンテリトリーの砂漠の上は、キケンだぜ。

人気ブログランキングへ ← ブログランキングにご協力ください!

Read Users' Comments (0)

灼熱の砂漠を越えるんだ

キキーー。

突如車の停車音が聞こえた。
ここは制限時速120キロの高速道路。
風のように通り過ぎて行く車はいくらでもあったが止まることはなかったのだが・・・。

"Are you guys OK?"

車を停めてオージーが話しかけてくれた。
なんとやさしい人なんだろう。
そしてぼくが一部始終を話すと水の入ったペットボトルを渡してくれたのだ。

そう、ぼくらは
水を砂漠のど真ん中で補給することに成功した
のであった!



この後、砂漠で苦しむことも知らずに町を去っていくSatoru隊員


「事故にあったのかと思って停まってくれたんですね。」
「うん、ん? てことは・・・。」

ぼくらは再び、今度はより事故っぽく見えるように悲愴的な感じで地面横たわることにしてみた。

キキー。

ふっふっふ。思った通りにもう一台の車がとまってくれたではないか。
同じことを説明して更に水を補給。
こうしてぼくらは窮地を脱出する目処を立てることができたのだ。

さあ、目指すはノーザンテリトリー2つめのシティー・キャサリンだ!


(つづく)

人気ブログランキングへ ← ブログランキングにご協力ください!

Read Users' Comments (0)

お知らせ・その2

オーストラリアから帰国しました。
ということで徐々にブログの更新を再開し始めています。

また、一日ごとに

日付と走行時間・距離・平均速度・最高速度

を付け加えるようにしました。

オーストラリアの広大な土地を旅するときに、大胆かつ詳細なプランニングは必要不可欠。
そんなわけでこれらの走行データは今後の自転車野郎(乙女)にとって
有益な情報になると思いますので逐一公開していきます。

ちなみにこれらのデータはMasato隊員の努力によって記録されました。
ありがとう!

ご参考にドウゾ。

Read Users' Comments (0)

灼熱の砂漠を越えろ!

僕たちは真っ昼間の砂漠のなか、ひたすらに日射しが弱まるにを待っていた。

いったい、この砂漠の気温は何度に達しているのだろうか?
まるでアスファルトの道路はBBQではないか。
このままではさっきの町で買ってきたソーセージがこんがり焼けてしまう。

というか試してみたら
本当においしそうに焼けてしまったではないか。

そう、ぼくらは今永遠に輝き続けるのではないかと疑ってしまうほどの
ギラギラの太陽の下でひたすら陽が暮れるのを待っている。


え? なぜかって?

地図を読み間違えて
水を補給せずに出発したら
水が足りなくなったからである。

なんということだろうか。

まさか町だと思った場所がただの川の名前だったとは・・・。

しかもその川には水一滴も流れていない。
本当に困ってしまう。

なんというおっちょこちょい3人だ。
しかも3人ともむさ苦しい男なもんだからちっとも可愛げがない。


次の街「キャサリン」まで90km。
こんな景色が延々と続いている…。


しまったなあ、どうしようか・・・。
とりあえずこの水の量では足りるわけがない。
水分をできる限り節約するために陽がくれて涼しくなってから出発するか・・・。
それしかないよなあ・・・。

仕方なくぼくらはわずかな木陰でデンと横になって
ひたすらハエからの攻撃に耐えていたのであった。

しかし、このハエの数は尋常ではない。
マサトとサトルは頭に被る蚊帳を持っていたのでなんとか耐えることが出来ていたようだが、
ぼくにはそんな秘密兵器はなく
時おりハエの襲撃に耐えきれず奇声をあげるハメになってしまった。

やがて・・・時は少しずつ過ぎていった・・・。

(つづく)

人気ブログランキングへ ← ブログランキングにご協力ください!

Read Users' Comments (0)