おじいさんとパブ

そのパブは黄土色の大地のなかにさり気なく建っていた。
周囲のところどころに木々が立ち、灼熱の砂漠に潤いを与えているかのようだ。

ぼくらが愛車を停め、パブのなかにはいろうとすると
後ろから自転車に乗った老人がさっそうとやってきた。

重装備ではない。
しかし、旅の装備をしている。
年齢はどう見ても60歳以上だ。
白い髪が太陽を反射して美しく輝いていた。

あんなに年をとっても砂漠を自転車で旅するなんて…。
ぼくらもあんな老人になりたい、などとぼくたちはささやいた。

老人は先にパブに入ってビーフを注文していた。
ぼくらはバーガーを注文した。安いからだ。

こんな素敵な雰囲気の場所なのに、
なぜ「ピンクパンサー・パブ」という名前なのだろうか。

外にあった人形はどう見てもピンクパンサーじゃないしなあ。




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